へレス JEREZ-XÉRÈS-SHERRY


ヘレス(シェリー)は現在も製造されている酒精強化ワインとしては最古のものと言われています。紀元前800年にはフィニキア人によって地中海で取り引きされ、またその名前はアラビア人がこの地をシェリスと呼んだことに由来します。シェークスピアの時代には「シェリーサック」の名で世界一の評価を受けていました。土壌はアルバリサと呼ばれる石灰を多く含む白亜の土で、標高は海抜0~45mに広がっています。夏は暑く、冬は温暖な典型的な地中海性気候で、雨は春と冬に降ります。栽培される伝統的な葡萄品種はパロミノ種で全体の95%を占め、その他にわずかですがペドロヒメネスとモスカテルも作られます。シェリーの特徴的な風味は熟成中のワインの表面に発生するフロールと呼ばれる酵母の膜によるものですが、フィノには発生しますが、オロロソには発生しません。熟成はすべてソレラシステムと呼ばれる方式が取られます。これは熟成期間の異なるワインの入ったオーク樽を3~4段積み重ね、一番下にある最も古いワインの一部が瓶詰めのために抜かれると、次に古いワインが補充され、これが繰り返されて味が均一化されていく、というものです。すべてのシェリーはアルコールが強化され、普通は辛口ですが、甘口のものはこの地方の甘口ワインが添加されます。